自分でやった方が早い病

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

(2012-08-15読了)

久々の読書.夏休みに本屋に寄っていくつか物色をしてレジに向かったときに陳列棚にあり,タイトルを見てでぎょっとしたので購入して読んでみた.自分がまさにかかっている病気.

部下に任せることができない,部下のやったことに満足できないと自分が口を出し,手を出してやってしまうこと,これをしているとまわりは育たないし,いつまでたっても自分ひとり分のパフォーマンスしか得られないのでやめましょう,というのが本書の論調.

言っていることは大体正しいのだけれど,技術系においてはどうなのだろうか.また,企業や研究室の場合はメンバーや学生は数年もたたずに入れ替わるので,そこについて言及されていない.

技術者という立場ではいつまでも現役というような気分でいたいし,まだまだ部下を指導するほどの立場でもないので,気を付けようくらいの感覚.

面白かったのが自分でやった方が早い病を治す方法として「痛い目に遭う」というもの.

そういう人は、逆説的ではありますが、徹底的に利己を貪り尽くしてもいいと思います。徹底的に利己を追求すると、必ず痛い目に遭います。
(p.114)

なるほど.いい子ぶるつもりはないけれど,今思えば自分はこういう振る舞いをしたことがない気がするので,思い切ってやってみるとどうなるかわかるのかもしれない (笑

昨年あたりからメンバーと協力して仕事をするようになり,タスクの達成を優先的に考えたときに人に仕事をお願いするorお願いされる,という仕事の進め方をしてきた.今思えば,任せなければ絶対に回らなかったのでそれが正しかったのだろうけれど,仕事を任せてしまったときのなんともいえない喪失感,というのは技術者として忘れてはいけない感覚の気がしている.特に根拠はないのだけれど.

というようなことを本書を読んで感じた.