カモメになったペンギン
- 作者: ジョン・P・コッター,ホルガー・ラスゲバー,野村辰寿,藤原和博
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/10/27
- メディア: 単行本
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(2007-12-01読了)
原題は"Our Iceberg Is Melting"。
「チーズはどこに消えた」の著者も絶賛する組織変革の本。
ペンギンたちが暮らしている氷山の危機によって、最終的に
氷山に住み着くという文化を捨て、「渡り鳥」になったペンギンたちの
寓話によって、組織を変革する核について解説している。
5人のペンギンが登場する
- カリスマで、まとめ役のルイス
- 実務をこなし、がんがんプロジェクトを進めていくアリス
- 第一発見者で問題について熟知しているフレッド
- 野心はないが、モテ男のバディ
- 知識、理論は抜群だが、チーム作業が得意ではない「教授」ことジョーダン
リーダーのルイスすごすぎだろう。という感想。いかにも欧米的なストーリーなので、「日本式」にもそのまま通用するだろうか?
チームにバディを入れたのが面白かった。改革の良い面を理解させれば組織が変わるものではない。得てして論理では起こりえない「悪いニュース」をいかに縮小するか、ということが重要になってくる。寓話の中ではバディはそれを退治する役を買った。
これについては、実際の場合ひとりで務まるとは思わない。むしろ、どうやって退治するのかという方法論が重要になってくると思う。
日本版の場合は、ノーノーが5人くらい出てきそうな気がする。
ただ、本書に足りないのはノーノーのような人物が組織には「必要」であるということ。
もしかしたら、ノーノー自身が第2のフレッドになりうるのだから。最後まで頑固者で終わらせたが、一言付け加えるだけでかなり変わってくると思う。
そういう点で「組織の多様性」の重要性については解説していなかったような気がする。一応、全体集会を行った際に、ペンギンたちをいくつかのクラスタに分けて、集会の効果について解説していたが、組織全体として多様性を持っていないと、そもそもこの話は成り立ちませんよ。ということを前面に押し出してもよかったと思う。
いずれにせよ、教授がパワーポイント97枚用意したのには笑った。
こういうジョークがいえる人間になりたいものだ。