ウェブ時代をゆく
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11/06
- メディア: 新書
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(2007-12-06読了)
梅田望夫氏のウェブ三部作完結編(ほんと?)
本書ではウェブ進化論で述べた新しい時代の生き方について書かれている.
向こう側といっているが,結局はどこかのサーバにデータがあるわけで,このはてなダイアリーの記録もデータははてなサーバに入っている.例えば,はてなサーバが明日全部破壊されたら,このデータはこの世から消えてしまう.
P2P通信のように,端末に直接接続するという通信方式があるように,梅田氏の言う「向こう側」と「こちら側」という区別はそもそもないのではないか.
(ちょっとこの段落うまくまとまってない.削除)
色々とキーワードはあるのだが,「学習の高速道路」の話は面白い.既に今までの著書で書かれていたが,本書ではきちんと「学習の高速道路」と鍵括弧までつけてまで解説している.最初にこの言葉を使ったのは2004年12月だという(関連リンク参照).
ついに本書では自身で楽観者と言ってしまったが,やはり理想主義には違いないと思う.私は本書の主張に対しては懐疑的な考え方をしているため,言っていることはわかるのだが,どうしても内容が飲み込めていないような気がする.ゆっくりしたときにもう一度読み直してみよう.
ちなみにDan Kogai氏がブログで言っていた「ハッカーになれなかった」というくだりは本書からひしひしと読みとれた.数学が得意というのはうらやましいけれど.
p.194「自らの内部にカサンドラを持て」の章では,アンディ・グローブの言葉を借りて「組織内のカサンドラを大切にせよ」と言っている.カサンドラとは,ギリシャ神話でトロイ陥落を予言した女司祭のことで,凶事の予言者の意味.おぉ,これって「カモメになったペンギン」におけるフレッドのことじゃないか.やっぱり,誰もが同じようなことを言うんだ,と思った.
本書で著者は「ウェブリテラシーをつけなさい」と述べているが,結局,手に入れた知識をどのように使うか,ということは「こちら側」で行っているわけで,更に細かく言ってしまえば「個人」レベルで行っている.この時代に,「こちら側」での知的生産活動をどのようにするのか,ということにも言及をして欲しかった.
おそらくこれが自分の中の気持ち悪さにつながっているのだと思う.