「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
- 作者: 鈴木博毅
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/04/06
- メディア: 単行本
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(2013-07-19読了)
会社の先輩と組織論などの話になったときに「『失敗の本質』読んだ?読んでないならオススメ.最近その解説本出たみたいだけど読んでないや」と言われて,まず解説本から読むというゆとりっぷりを発揮して読む.
「失敗の本質」は第二次世界大戦において日本が失敗した6つの作戦を題材に,なぜ失敗したのかということを考察した本であり,組織や経営を考えていく上でバイブル的な本らしい.
そもそも「失敗の本質」を読んでいないので,これがよい解説本なのかわからないけれど,割とよくあるハウツー本のような印象を受けた.ざっと以下のようなことが印象に残っている.
- 目的に合わせた新たな指標を設けることの重要さ
- 現在の指標の根底を失わせるためのイノベーションが必要
- ダブル・ループ学習
最後のダブル・ループ学習は"「想定した目標や問題自体が間違っているのではないか」という疑問・検討を含めた学習法 (p.121)"だそうだ.たぶん日本の会社ではPDCA()という言葉が連呼されていると思うけれど,たいていの場合には本書でいうところのシングルループ学習,すなわち「想定した目標や価値観を固定した」営みになっているのではないだろうか.著者によれば日本人は一度決めた指標に対して最適化をするのは得意だが,その指標を適切なタイミングで変えるのがなかなか苦手らしい.自分も割とそのタイプだと思う.
さて,引用の引用の引用になってしまうが,以下の箇所は心に刺さった.
左記は『失敗の本質』3章で引用されている、日本軍の組織がいかに平和時に安定していたか、という指摘です。
日本軍人(陸海軍)は、
・思索せず
・読書せず
・上級者となるに従って反駁する人もなく
・批判をうける機会もなく
・式場の御神体となり
・権威の偶像となって
・温室の裡に保護された
(「太平洋海戦史』高木惣吉/岩波新書より)まるで、現代日本のどこかの組織内情を暴露しているような印象を抱かないでしょうか。
(p.200)