フリーズする脳

フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

(2007-12-02読了)

フリーズする脳とは,ボケ程度重度ではない,日常生活における軽度の前頭葉機能障害のこと.具体例をあげれば「会話をしているのに,何を喋っていたのかわからなくなった」「商談の最中に言葉が出なくなる」といったもの.


脳はボケるようにできているということ.言い換えると脳はサボるように出来ている,ということを前提に,著者が診てきたケースと,実際にどのように対応していくかということが書かれている.

以下,適当なメモ

  • 脳の基本回転数
    • 環境に忙しさがないと基本回転数はあがらない
  • 目を動かす
  • 人と喋らずディスプレイに向かって作業をするのはずっと高速道路に乗っているようなもの

最近ではウェブで調べればなんでも出てくる時代になってしまったため,
「あぁ知ってるよ」と言われたので聞いてみると「○○で検索すればわかる」という状態になっているという.


梅田望夫氏に言わせて見れば,ウェブのあっち側に知識を置いているに過ぎず,学習の高速道路がうんちゃらという話になるかもしれないが,結局,車(自分)自身が調子悪くなっているのだから,こりゃいかんぜよ

本書で著者はこう語る

もちろん、これは私の推測にすぎませんし、少ない例を取り上げて「若者の知のレベルが下がった」などと針小棒大に言うつもりはありませんが、インターネットが普及して、これだけ知識を得やすくなったのだから博学の人が増えたかというと、決してそうではないわけで、知のあり方がいつの間にか変わっているのは確かだと思います。
少し突っ込んだ言い方をすれば、「知識は覚えるものだ」という意識が希薄になり、「その場で消費するものだ」という意識がより強くなっている。その覚えるという部分を人類共通の外部記憶装置であるかのようなインターネットが代行している。そういう時代になっているのではないでしょうか。
(p.95)