数学的にありえない(下)
- 作者: アダムファウアー,Adam Fawer,矢口誠
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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(2007-07-08読了)
量子物理学の話,シュレディンガーの猫や
誕生日のパラドックスの話を講義でするシーンでは思わずニヤリとしてしまった.
理系の大学の学生,卒業生であれば学問の復習をしながら物語を読むことができる.
作家としては処女作であるので(翻訳のせいかもしれないが)細かい描写は普通
しかし,サスペンスとしては十二分に楽しめる
物語の登場人物が信じられないところでお互いに影響しあうというストーリーだと
最近読んだ伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」も似たストーリーとして挙げられる.
(他にも過去の著名な作品にあるんだろうけれど)
ただ戦闘シーンなどで,あぁアメリカの小説だな,と思ってしまうところがしばしば
出てきた.ネガティブな部分をひっくるめても他人に薦められる作品
"Improbable"を数学的にありえない,という邦題にしたのも
日本でヒット(したのか?)した原因のひとつのような気がする.