半落ち

半落ち (講談社文庫)

半落ち (講談社文庫)

(2008-08-16読了)

映画化されていたはずだけれどストーリーを知らないし,読んだこともなかった.ばあちゃん家の近くのコンビニで見かけて衝動買い,オリンピックを見ながら読んだ.


アルツハイマーの妻を嘱託殺人(被害者に頼まれて殺すこと)した警部が語らない犯行後の空白の2日間に何があったのか.「半落ち」の警部は何を思うのか.
ちなみに取り調べで全てを供述することを「完落ち」.まだ不十分な余地があることを「半落ち」というらしい(少なくとも本書の中では).


犯行は嘱託殺人ということで高瀬舟を思い出した.


各章の主役の視点で物語を見る,というスタイルは新鮮だった.うまく描かれていると思う.


警察と検察の関係や刑務所との法律的な関係等,要所要所できちんとした「決まりごと」が出てくるので,そこらへんはリアルに描かれているなぁ,と思った.


オチが最後の最後まで隠されているため,どんなネタだったんだろうと楽しみにしていた反面,ありきたりな終わり方で少しがっかり.