つながる読書術

つながる読書術 (講談社現代新書)

つながる読書術 (講談社現代新書)

(2012-01-17読了)

今はやりの読書会を意識した読書術について書かれた本.著者による本の読み方について書かれている.ただし,読み終わってみると読書会あまり関係ないのではと思ってしまった.

読書の7つの分類

  • 楽しむための読書
  • 調べるための読書
  • 発想するための読書
  • 「自分とは何か」を知る読書
  • 問題解決のための読書
  • 行動のバネにする読書
  • 考える力をつける読書

最後の考える力をつける読書では,プラトン著「ソクラテスの弁明」を例に挙げて「ものごとの定義を明確にし,問題を解きほぐし,原理原則を貫いていく.こうした「考える原則」が論理的に組み立てられた良書の特徴です」(p.28)と解説している.確かに教科書や専門書では否が応でもそこに書かれている理論体系をときほぐして自分の中に落とし込む,という作業が発生するが,それ以外の本では「書いてあることを理解すればいーや」という姿勢で読んでいたような気がする.今後これを心掛けたい

また著者は,単なる速読に拘るのはなく,以下の3つのポイントを意識した基本の三時間コースを提案している.

一、三時間かけて、「おもしろい!」と思う箇所を10ヶ所
二、「人と話し合いたい」あるいは「自分で考えたい」というテーマや問題点を三ヶ所
三、「許せない、これは絶対違うと言っておきたい」と主張したい箇所を一ヵ所
(p.36)

本書の最後に付録として「読まずに死ねない厳選100冊の本!」という文献リストが書かれている.それぞれお薦めの理由も書いているので,気になった本を読んでみたい.とりあえず著者の座右の書であるショウペンハウエル「読書について」は買ってみた.

こういう多読を必須とする職業の人たちは,月100冊などを平気で読んだりする.もちろん全てが頭に入っているわけでもないし,全てを完全に通読しているわけでもないだろうが,どうやらどんな本に何が書かれていてどう感じたのか,というようなことはきちんと記憶に残っているみたい.そういう次元の読書をしたことないので,どういう感覚になるのか体験してみたい.

本書を読んで,まぁいい本だなぁと思ったのだけれど,Amazonレビューを見るとけっこう低い点がつけられている.うーん,これはまだ自分の目が肥えていないということなのか,批判的読書ができていないということなのだろうか.