心の元気200%UPの習慣術: 人は「これ」で9割変わる

(2011-01-03読了)

年末に人待ちしているときに買ってしまった本.昨年は気分的にも落ち込むことが多く.頭では切り替えよう切り替えようと思っても,なかなか心が言うことを聞いてくれなかったことがしばしばあった.今まで,こういう類の本を読んだことがなかったので購入して読んでみた.

調べてみたら著者は既に亡くなっている.「モタさん」という愛称で親しまれた著名人だったらしい.本書の中でも書かれているが,著者の父は詩人として有名な斎藤茂吉.どうやら斎藤茂吉もまた精神科医だったとのこと.これは知らなかった.

さて,読んでみた感想は,どこかで読んだことがある気がするような内容.しかし,ところどころで妙に説得力のあるのはきっと著者の人生経験が成せる業なのだろう (本書の元になった「バタバタ空回りの頭をラクにする本」を書いた時点で著者は90歳).

以下,さらっと読んだ感想.

でも、そんなことをしていても、時間を無駄づかいするだけ。もし、過去を悔やむ心が生じたら、その時点で、
「ストップ!」
と声に出して言ってみてほしい。そして、
「過ぎたことは、過ぎたこと。大事なのはこれから」
と自分に言い聞かせるのである。
(p.22)

過去の後悔に関してはあまり悩んだことはないけれど,とにかく気分が落ち込んだときに自分を奮い立たせるスイッチのようなものとして使ってみたい.

面白かったのは,自分の「短所」をリストアップしてみる(p.151) というセクション.「自分の長所を見つけて活かせ」と書く本はよく見るけれど,短所を見つけろ,という発想はなかった.性格によって長所探しか短所探しのいずれかをきっかけにするとよいと思った.

具体的には、思いつく限り自分のダメなところを洗い出し、それらが長所にもなりうることに気づくだけ。自己否定感の強い人は自分の欠点をあげつらうのが得意なので、それを利用すれば簡単にできる。
・気の小ささは、慎重さの裏返し
・優柔不断は、やさしさの裏返し
・大雑把な性格は、大らかさの裏返し
・生真面目さは、誠実の裏返し
・神経質は、気配り上手の裏返し
・頑固さは、強い信念の持ち主であることの裏返し
(pp.153-154)

短所出しはなかなか面白かった.

また,"頼み上手"になるこの一言(pp.129-132)では,「仕事を抱え込む人」のことが書いてある.まさに自分のことだなぁ.思い当たる節があるので,2012年は少しでも"頼み上手"になりたい.

調べてみると斎藤茂太の著作は非常に多い.出版社の商業主義のせいか,原書が複数に分割されて再出版されているものもありそう.評価の高そうな著書をいくつか読みたい.

本書の元になった本はまだ出版されているらしい.値段はこちらの方が2倍以上する.