2010年の振り返り

今年も残り一日なので,振り返りを書こうと思う.

目標達成確認

まずは,2010年の抱負で書いた数値目標を達成できたかを確認してみる.

  • 毎日日誌をつける
    • o 達成!
  • 年間60冊読了
    • x (22冊)
  • 論文50本ブログで紹介
    • x (0本)
  • TOEIC900点
    • ???

各項目について反省と改善点を書いてみる.

毎日日誌をつける

業務中の日誌を毎日つけるようにした.前半はプライベート時間で勉強したことなども記録していたものの,サボるようになってそのままになってしまった.やはり,一日でもサボると続かないよう.

業務中の日誌を日々記録することによって,とても効率よく作業ができるようになったと感じている.日誌を付け始めた当初は「xxを実装した」というような成果ベースで記入していたため,一日に2,3行で終わってしまう日もあった.ある日から行数がさびしいので「(事務的な) xxの書類を作って提出」というように行動ベースで記録するようになって,一日にどれくらいの作業をどのようなペースで行ったのか,ということを自覚できるようになった.

次の打ち合わせまでに30分あるから,この作業は終わらせられるな,というように30分/1時間単位で時間を使えるようになったと感じている.これは,今までの自分から考えると大きな進歩だと思っている.

年間60冊読了

全くできていない.

勉強会参加のための発表資料作成や予習にかなりの時間を割いていたためだと考えている.読書は時間がかかり,かつ直接的な効果が見えづらいため,どうしても後回しになってしまった感がある.

2-3時間で読める本ならまだしも,一冊読むために1ヶ月かかるような大書を継続的に読むためにはどうしたらいいのか,方法論を考え中.

学生時代続けていた年間100冊読書も,2008年,2009年,2010年と社会人になってから一度も達成できていない.

有り余る時間を使っていろんな本を読む,ということができる学生時代に比べて,直接役に立たない分野の読書自体の優先順位は低いのかもしれないが,継続的に読書をするのは重要だと考えているし,一見直接関係のない読書が創造活動に良い影響を与えると信じているので,来年も頑張りたい.

論文50本をブログで紹介

0本という逆快挙を成し遂げた.

これがなかなか難しかった.業務中に読んだ論文は紹介できないので,業務に関係のない論文を読もうと思っていたけれど,結局のところほとんどできなかった.

読んだという意味では2010年は197本の論文を新たにマイbibtexに追加した.全部読んだわけではないけれど,数十本 (それでも50本はないなぁ..) はそれなりにちゃんと読んだと記憶している.

論文データベース & メモの方法については,それなりに方法論化できた気がするので,そのうちブログで紹介予定.

TOEIC900点

会社で受けたTOEICの点数は年明けに結果が返ってくる予定なので,それ次第...

今年もTOEICのための勉強という勉強をしなかった...スタンフォードやMITの講義をビデオで見たりして,英語に慣れるようにした.ビデオは映像混じりなのでかなりわかりやすい.

昨年の経験から論文読みが英語力向上に役に立たないということがわかったので (英語論文読みまくったのに,60点近く点数を落とした),本格的なTOEIC対策が必要なのかも.


その他

目標達成以外で,今年やったことを確認する.

勉強会参加/発表件数

数えてみると24回勉強会に参加し,12回発表を行ったらしい.月2回参加,月1回発表.
発表準備には,帰宅してから寝るまでの時間が割かれるので,これ以上の参加はなかなか厳しい.全然至らないところがあるのに目をつぶれば,それなりに頑張ったと思う.

さすがにそれなりの数を行ったおかげで身につくものもあるようで,機械学習に関する会話ができるようになったと思う.以下,内訳.括弧内は発表件数.

  • PRML読書会 x8 (6)
  • PRML復習レーン x5 (4)
  • TokyoNLP x3 (1)
  • NIPS2010読み会 x1 (1)
  • Erlang分散勉強会 x1 (1)
  • MG輪講 x2
  • CV勉強会 x2
  • Tokyo.R x1
  • 機械学習若手勉強会 x1


頑張ったとは言ったものの,文献を読み込んで理解した知識は「読めばわかる」知識であり,それをうまく説明したところで文献の範疇を超えることはできない.ノウハウや知見をそれほど持っていないため,知識の共有はできるものの,プラスアルファの貢献が少なかったと思う.

来年はそういった知見の共有ができるようになりたい.

コーディング/実装

機械学習アルゴリズムをこつこつ実装したりしてみた.昨年に比べて,コード生産効率は上がっていると思うが,コーディングに割いた時間は昨年よりも少なくなったと思う.

今までCとPerlな人間だったけれど,C++を使うようになった.学生時代はJavaオブジェクト指向プログラミングをやっていただけあって,急に大規模で複雑なコードも書けるようになった.

月別の振り返り

2009年の振り返りに比べて各月に対する思い入れが少ないようで,あまり思い出せなかった.手帳などを眺めながらざっくりと各月の思い出を書いてみる.

1月

大学時代の先輩に急に誘われて熱海一泊旅行.いろんな意味でトンデモ旅行になった.
業務もなかなか大変だったみたい.

2月

あまり記憶にない.

Erlang分散勉強会にて「ゆとりがErlangを始めるようです」を発表.普段お会いすることのない方々とお話しすることができた.

車の窓ガラスがガタンと落ちて上がらなくなった.雨が降りしきる中,ビニール袋とガムテープで窓を閉めた.寒いし,濡れるし,相当つらかった.

会社の先輩たちと東中野にある台湾ラーメンというラーメンを食いに行った.21時に会社を出て,帰宅したのは2時.思い出深い.

3月

あまり記憶にない.スノボー行ったりした.
SIGIR2010不採録通知.国際会議をあきらめてTOD投稿.

4月

あまり記憶にない.JSAI2010原稿仕上げて投稿.
組合の集まりに参加するために湾岸道路を走っていたら覆面パトカーに捕まる.

5月

共通系の業務がピークに達して相当やられる.2-3週間丸々つぶれた.

情報を正確に伝えるために長いメールを書くと誰も読んでくれないということを知る.これはなかなか難しい.そしてメールを書いていると仕事をしている気になるけれど,全く生産的ではないということにも気づく.メールと電話の使い分けを意識するようになる.

寮の総会に参加するために横横道路を走っていたらまた速度違反で捕まる.4回目の免停まであと2点.

6月

JSAI2010参加長崎へ.Twitterを通じて知り合った方々と直接お会いするという貴重な経験をする.生き別れの姉である@akikom さんとの再会.そして同い年の@unnonouno さんと運命的な出会いをし,一方的に恋をする.

7月

2週間,同期との最後の集合研修.超楽しかった.
記録を見ると精神的にかなりつらかった時期のよう.
TOD無事採録

8月

一か月間京都に滞在.精神と時の部屋における修行を行った.

この一か月間に得られたものは本当に大きかった.あっという間だったけれど,一か月という期間だったからこそ集中して取り組めたと思う.独身最後の夏休みをいろんな意味で堪能.

極端な言い方をすれば,今まで「やってみてうまくいった」という行き当たりばったりな方法で取り組んでいたため,うまくいかなかった場合に次の一歩をどう踏み出していいのかわからなかった.

実験をする際にも「なぜうまくいったのか/うまくいかなかったのか」ということを立ち止まって考えるようになったため,現象と手法の特徴を結び付けて考察をする癖がつくようになった.

最終的にはデータ依存という言葉で片付けられてしまうことが大きいけれど,知見を再利用できるようになったという意味では,武空術を使えるようになったくらい大きいと思う.

紙と鉛筆を使って式を展開する訓練を意識的に行った.PRMLの式展開を追っかけていたら,今まで記号の羅列にしか見えなかった数式に対するアレルギーがなくなっていた.

微分が出来るようになる.

9月

横須賀に戻ってからは研究とは別の業務でバタバタする.

日々締切に追われてやっているときは相当つらかったけれど,普段と違う頭の使い方をしたため,力になったような気がする.

生駒PRML読書会が終了.本当にお世話になりました.

プライベートでは引っ越し.三浦半島から三浦半島への引っ越しだったため,車を使って自分でやった.辛かった.次回から絶対に業者を使う.特に本の引っ越しが本当につらかった.

10月

9月に引き続き,ばたばたが続く.なんとか原稿を仕上げてECIR2010投稿.
結婚した.結婚についてはこちらの日記で紹介.

ぎっくり腰になる.木金会社を休み,土日も動けず4日間リアル寝たきり生活を送る.結婚していなかったら本当に餓死したのではないかと思うとぞっとする.妻に本当に感謝.いろんな人生のイベントをすっとばして介護生活を経験することになる.

11月

研究らしいことができるようになって,2ヶ月ぶりに自分のコードを見る.1ヶ月以上研究から離れるとほとんど忘れるということを実感する.

ラボノートを読み返しながら,提案手法の導出を行った.初めてラボノートを読み返すという経験と,日々の議論やアイディアを記録しておいてよかったと実感.

12月

ECIR2010不採録通知.2日間寝込む.

実験を繰り返す日々.再びサーベイも並行して行う.落ち着いて研究に取り組むことができる時間は限られているため,色んな事が効率よくできるようになったという感触が出てきた.生産性レベルが明らかに上がった感じ.

まとめ

想像以上にぐだぐだ書いてしまった.今年の要約するとこんな感じ

  • 前半は相変わらずだらだらしてしまった気がするが,後半戦は総じて選択と集中がうまくできた年だと思う.
  • 相変わらず国際会議に通らない.
  • 日誌を細かく記録することで効率よく作業を進めることができるようになった.
  • 微分ができるようになり,数式のある論文を読めるようになった.
  • 機械学習に関する知識・経験を深めた.
  • 実装力,手を動かす力が向上した気がする.

今年の反省点と改善点

具体的な改善点については来年の抱負に譲るとして,平日はプライベートで使える時間はものすごく少ないということを実感した一年であった.そして,プライベートの時間をいかに有効に使うかということが大切ということにも気が付いた.

結婚してしまったので,さらに効率よく時間を使う必要が出てくる.
時間は有限であり,いかに効率よく使うかということを実感した一年だった.

さいごに

さて,2010年も守りに入らず,いろいろ突っ走ってきたのがよかったと思う.これからも体力と気力の続く限り突っ走っていきたい.


なんにせよお世話になっている皆様なくしてはこのような実りある2010年にはなりませんでした.今年も大変お世話になりました.一人ずつ名前を挙げることはできませんが,この場を借りて改めてお礼申し上げたいと思います.


というわけで今年もあとわずかですが,皆様良いお年を!