Karabinerで設定したキーバインディングをParallels上でOFFにする方法
さて、ようやく今年になって本格的にMacに移行したのだけれど、USキーボードが大好きな人間なので、スペースバーの長さ的に左Command、右コマンドによる切り替えは難しい。やっぱり慣れ親しんだShift+SpaceでIME切り替えを使いたい。自分の事情と要望をまとめるとこんな感じ。
- 10年近くShift+SpaceでIME切り替えをしていたので、やっぱりこれに設定したい。
- Mac環境になったとはいえ、オフィス系のアプリケーションはParallelsのWindows上で動かしている。
- MacでもWindows on ParallelsでもShift+SpaceでIME切り替えができるようにしたい。
Mac環境におけるIME ON/OFFをShift+Spaceにバインディングするのは、みんな大好きKarabiner (旧keyremap4macbook) で設定できる。
以下の設定項目をONにすればよい。
For Japanese > Change Space Key > Shift+Space to KANA/EISUU (toggle)
しかし、この設定そのものはParallels上で動くWindowsの設定とは関係ない。そして、Parallels上のWindows側のIMEでShift+Spaceを設定してもShift+SpaceでIME切り替えができない。原因はMac側でShift+Spaceのキー操作シグナルがIME切り替えに変換されてしまい、Parallels上の仮想マシンに対してShift+Spaceのキー操作が送られていないことっぽいことに気づく。
これは困ったなぁと思っていたのだけれど、Karabinerはアプリケーション毎に、カスタムキーバインドを無効にすることが可能みたい。ということは、Parallelsに対してIME ON/OFFのキーバインディング設定を無効にすることができれば、Windows上のIME設定が使えるようになるのではないかと予想。
というわけでprivate.xmlを記述して、Parallelsにおいては上記設定が無効になるようにすればよい。結論からいえば、自分の場合には以下の設定でOKだった。PARALLELSについてはVIRTUALMACHINEというappnameですでに登録されているので、自分で登録する必要がないみたい。
<?xml version="1.0"?> <root> <!-- <appdef> <appname>PARALLELS</appname> <equal>com.parallels.desktop</equal> <equal>com.parallels.vm</equal> <equal>com.parallels.desktop.console</equal> </appdef> --> <item> <name>[customize] Change Space Key</name> <appendix>[customize] Shift+Space to KANA/EISUU (toggle)</appendix> <identifier>private.shift_space_toggle</identifier> <!-- <not>PARALLELS</not> --> <not>VIRTUALMACHINE</not> <autogen> __KeyToKey__ KeyCode::SPACE, ModifierFlag::SHIFT_L, KeyCode::VK_JIS_TOGGLE_EISUU_KANA </autogen> </item> </root>
これを読み込めば、Change Keyの部分に新たに [customize] Shift+Space to KANA/EISUU (toggle) という項目が現れるので、これのチェックをすればよい。上記で設定した元のShift+Spaceの設定のチェックを外すことを忘れずに。
これでMacでもParallels上のWindowsでもShift+SpaceでIME切り替えができるようになった!やった!!
ビジネスを動かす情報の錬金術
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(2014-12-03 読了)
最近データ分析入門系の本をかたっぱしから読んでいて、本書に出会った。ビザ面接で待たされているときに読了。
シューズメーカーにつとめる若手社員が主人公の物語風で書かれている。あれ、このパターンどこかで見たぞ?
特に目新しいものはなく、分析手法についても詳細に触れてないため、初学者が入門できない。
Tableau を使っているという話をするのであれば、Tableauの使い方や、どのようなシチュエーションで特に効果を発揮するのか、実例を交えて説明してほしいものだが、試用版ためしてみてね♪程度にとどまっている。
読み物としてもウーン、技術書としてもウーン。社内プレゼンの状況とか、少し会社を舐めているんじゃないかと感じる部分もあって本書の印象はよくない。
これではビジネスは動かない、これでは情報も錬金できないというのが正直な感想。
しかし、以下のようにときどきドキッとする表現が出てくるので、そういう意味では面白かった。
最近、レッドブル以外で自分に翼を授けてくれる存在は、菜穂だった。そして、彼女のことをこれだけ意識するようになったのも、今回の経営改革との戦いがきっかけだった。
??!!
この言い回しはどこかで一度使ってみたい。
結論: 読み物スタイルのデータ分析入門書系なら「とある〜」の方がずっとおすすめ
とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト) ―データ分析のはじめかた―
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(2014-06-22読了)
本屋で見かけて春樹ファンとして思わず買ってしまった.例の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」のAmazonレビューを書いたレビュワーが村上春樹の長編作品に対してレビューをするという本.
試みは面白いが,まぁこんなものだろうという内容.
一応全作品を読んだことがあるのだけれど,もうだいぶ内容を忘れてしまっているなぁ.
ハーバードでも通用した研究者の英語術―ひとりで学べる英文ライティング・スキル
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(2014-06-07読了)
ハーバード大学医学部留学・独立日記のブログ (2011年から三重大学に移られたらしい) でもおなじみの島岡要氏の著書だったので思わず購入.
読んだつもりになっていたけれどずっと積読になっていたのでちゃんと読んだのでメモ.
以下の6つの章に分かれて書かれている.
もともと英語論文書きの勉強になるかと思って購入したので,1.アブストラクトのところだけ読めばいいやと思って読んでいたのだけれど,それ以外も基本的には「想定読者を自分が望む状態に持っていくための,説得的な文章の構成とは何か」ということと,その書き方と実例が挙げられているので参考になった.
本章で特に覚えておきたいのは以下の2点.いずれも1章で述べられている.
アブストラクトは通常本文を書き終わらないと書けないものである.しかし,あえて本文を書く前の段階で一度アブストラクトを書くことによって,自分の中で整理しきれていない部分が明確になるため,一度ここで「生みの苦しみ」を経験しておくのがよいと書かれている.
その際に用意しておく情報として以下の「快適に第一稿を書き始めるためのフレームワーク (p.27) 」に対応する情報を用意する.
- 1 研究の背景
- 2 研究する問題や問い
- 3 研究の目的
- 4 研究の肝となる方法と結果
- 5 主要な研究成果
- 6 研究の結論
- 7 研究の意味付け
第一稿を仕上げればすぐ指導者に見てもらい,楽になりたい衝動にかられますが,ぐっと辛抱してください.実は自分で書いた第1稿を自分で訂正・改善していくセルフ・エディティングの能力を育てることが,英語ライティング・スキルの向上の要なのです.
...
数十回はアブストラクトをセルフ・エディティングすることをお奨めします.数十回のセルフ・エディティングのために十分な時間を最初から計画に入れておきましょう.
(p.23)
これは耳が痛い.特に最初の一文はその通り.英語に限らず,セルフ・エディティングを習慣づけたい.しかし,どうすればセルフ・エディティングをできるようになるだろうか.日数をおけば他人の文章になるとはよく言われるが,なかなか書き直す気がおきない.気合と根性以外に良い仕組みがあればぜひ知りたい.
さて会社の資料作成においてはこれとは逆の習慣 (=すぐ見せる) の方がよいケースもあると思っている.まず40%の出来でもよいからとにかく早くメンバーや上司に共有してフィードバックする.限られた時間の中で完成度を上げるという意味では効率がよい.その意味で企業研究者は頭のモード切り替えが必要だとつくづく思う.もちろん大学の研究者もそういった側面は多分にあるのだろうけれど.
カバーレターというものをちゃんと知らなかったのだけれど,そもそも投稿された論文がすべて査読されるわけではなく,カバーレターでフィルタリングをされたものだけが査読をされるらしい.情報系では自分が知る限りは,論文は投稿すれば査読されるものという感覚があったのでこれは新鮮だった.カバーレターに論文査読にふさわしい人,ふさわしくない人を個人名を挙げて記述するという点も新鮮.
例文がすべて医学系のため,自分にとっては謎の言葉ラッシュで読むのが少し辛かったというのが本書の唯一の欠点.あとは工学寄りの論文の書き方はまた少し違うのだろうなぁと思った.
以上,このブログ記事は書いてそのままアップしている.セルフ・エディティングなしである.明日からセルフ・エディティングやろう.
「つながり」の進化生物学
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(2014-05-29読了)
岡ノ谷一夫氏の著書.こちらは高校生向けに行った4回の講義を書き起こしたもの.読みやすい.
こんな講義を高校生の頃に受けていたら,相当影響受けるだろうなぁ...と思ったり.
- 相互分節化仮説
- 個別の意味を持つ発声の共通部分がやがて単語化するという仮説
- サリーとアンの実験
- 半分お母さんには反応薄い
- おしりを紐でつないだダンゴムシ -> 前に進めないと知ると片方の背中に乗る
- インターネットコオロギ
次は「ダンゴムシに心はあるのか」を読んでみよう
ダンゴムシに心はあるのか (PHPサイエンス・ワールド新書)
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言葉はなぜ生まれたのか
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(2014-05-17読了)
岡ノ谷氏の著書は小鳥の歌からヒトの言葉へ以来.ふとしたきっかけで本書の存在を知り,近所の図書館においてあるということで早速借りてみた.
言語の条件についてさらっとまとめてある.言語には4つの条件があり,すべての条件を満たすのは人間だけであると書かれている.ただし,動物には一部を満たすものが存在しており,本書ではそれを条件ごとに紹介している.
- 1. 発声学習ができる (すぐにまねができる)
- 2. 音 (単語) と意味が対応している
- 3. 文法がある
- 4. 社会関係のなかで使い分けられる
- 1. -> 2章 息をとめられなければ、ことばはしゃべれない
- 発声学習しない動物は,自分の意思で息を止めることができない
- 呼吸をコントロールできる動物->発声学習ができるようになった
- 2. -> 3章 デグーの「単語」
- 17種類の鳴き方を生得的に持っている
- 3. -> 4章 ジュウシマツの文法
- 自分の親を含めたオスの歌を聴いて「切り貼り」して自分独自の歌をつくる
- 4. ハダカデバネズミの「あいさつ」
- あいさつの声が低くて短い方が目上
- 下っ端の方がたくさんしゃべる
ハダカデバネズミの言語についての話は聞いたことなかった! (「ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係」を読んだはずなのだけれど,そこに書いてなかったのか,はたまた忘れてしまったのか)
ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの)
- 作者: 吉田重人,岡ノ谷一夫
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アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門
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(2014-04-18読了)
かなり今更感はあるがポモドーロテクニックなるものを知ったのが最近なので,とりあえず教典(?)を読んだ.
25分で1タスクを回して,5分休憩するというのをタスク管理フレームワークとして利用するもの.特に技術者の間で流行っている(?)方法らしい.
もちろん25分というのは仕事によっても変わるし,5分休憩というのも最初はもどかしいかもしれない.けれど最初の2週間はオリジナルを守って行動してみるとよいよ (by 技術習得のドレイファス・モデル p.144) というような書きっぷり.
まだはじめて少ししか経っていないのでポモドーロテクニックに対する良し悪しはわからない.が,ポモドーロテクニックを使う分には本書を読む必要はない気がする.
ただ,きゅうり君とアンティチョーク君かわいさを見るために本章を買う価値があるかもしれない :)