数に強くなる
- 作者: 畑村洋太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/02/20
- メディア: 新書
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(2013-07-17読了)
通勤時間が長くなったので読書時間が増えて,積読になっていた本をどんどん読めて楽しい.
自分の言葉で要約すると,数(かず)に強いとは「現実世界をモデル化し,モデル化した問題を解いて,現実世界へフィードバックをすることができること」と解釈した.そういえば学生時代に「モデルとは」みたいなことをORの先生が言っていたような気がするけれど,言われてみると自分の出身学科では,現実世界の問題を数理モデルなりに落とし込んで考えよう,というような学問を扱っていたような気がする.自分は不真面目な学生であったが,それでもきっと役に立っているのだろう.
著者による数に強い人の定義は以下のとおりである.
では、「数に強い人」とは一体どういう人のことを言うのだろうか。筆者が考える「数に強い人」とは、次の2種類の人である。
まずは、物事を数量的によく考えることができて、しかも覚えておくことができる人である。こういう人は、物事の全体像がキチンと頭の中に入っていて、その全体像との絡みで数を考え、覚えられる。
次に、物事から数を引き出して、自分の実現したいことの道筋にその数を乗せ、加工し、発展させることができる人である。一言でいえば、「数を作れる人」である。
(p.14)
また筆者は原安三郎氏の言葉を引用している.
「たとえ知らなくても、作る努力をしなくてはいけない。必要な数は、見たその場で作れなくてはいけない」
(p.71)
とある.この数を作る行為というものは,今も流行っているのか知らないが,ちょっと前まで就活生の間で人気のフェルミ推定というやつである.著者はこれにこう続けている.
ひとつだけ、筆者からの追加事項がある。それは、いつでもどこでも、愚直に、徹底的に訓練しつづけよ、ということである。
(p.72)
後半では,具体的な数の作り方の方法について筆者の経験とツールを交えて紹介している.ザックリ・ドンブリ・ドンガラという3つの世界の見方と具体的な数の見積もり方.そして最後はドミソなどの和音に現れる3:4:5の比率や,2-8の法則など,もう少し現実世界に現れる数字を交えて数の話をしている.
先日読んだ人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのかと併せておすすめの一冊.
人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/03/15
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