SIGIR2012読み会に参加して23.Learning to Rankを発表してきました

12月16日(日)に開催されたSIGIR2012勉強会に参加して発表してきました.休日にも関わらず会場を提供してくださったデンソーアイティラボラトリ様と会場係の山本様,勉強会幹事のみなさま,参加者のみなさま,ありがとうございました.

SIGIR勉強会といえば昨年も参加したDB系コミュニティの勉強会で,前回は東京会場である筑波大学にぽつんと三人だけ参加するという良い思い出があったのだけれど,今回は東京会場に5名の発表者と1名の聴講者が集まり,個人的には昨年よりもにぎやかな感じで楽しかった.

プログラムは以下の公式ページを参考のこと.資料とustream録画映像 (東京会場の映像は残念ながら音声が乱れてしまって聞き取れない) がアップロードされている.

さて,自分は今年も懲りずにLearning to rankセッションを担当.資料はslideshareにもuploadした.

今年のLearning to rankセッションは,発表された3本中2本が受賞論文ということで,まだまだこの分野もホットトピックなんだという印象を受けた.

最初の一本はQAをre-rankingで解きます,という応用系なのだけれど,やっていること自体は直感に合うし,浅い構文解析木構造カーネルの使い方が参考になる.

2本目の論文はtop-k rankingを,アノテーション,学習モデル,評価という一通りについてまとめた論文.正直,学習モデルと評価だけだと俺様評価指標に対して,その目的関数を最適化しているだけなので精度がよくなるのは当たり前.ただし,アノテーション方法から妥当性が論じられており,学習モデルについても単体ではなく,複数の手法を提案しているため,ものすごくボリュームたっぷり.そのまま学位論文になりそうな印象を受けた.

3本目の論文はアプリケーションを考えると当たり前である平均的に精度を上げるのではなく,精度低下を最小化するという観点でランキング学習するもの.こちらも言われてみると当たりまえの結果なのだけれど,当たりまえの結果が出るということはうまくモデル化できているということ.Microsoftの仕事ということもありLambdaMARTが使われているのが少し気になったくらいで,さすがHonorable mention paperという感じ.

さて,今回は前日にPRML読書会があり,帰宅してから6時間程度で論文を3本読んで資料を作成するという強行スケジュール (自分のスケジュール管理能力の甘さのせいなのだが) だったのだけれど,なんとか無事に発表することができた.これで2012年の週末勉強会も終わり.

しかし,最近は業務でもプライベートでも論文を読む量,特に精読する量が減ってしまって,論文読みモードになかなかならずに大変だった.Learning to rankは事前知識がそれなりにあるはずなのに大変だったので,それ以外の分野だったら準備ができなかっただろう.なんとかせねば.

昨年が11発表/30セッション,今年は11発表/29セッションだったので昨年と変わらない網羅率.来年はもっと発表者が増えて,せめて半分のセッション程度網羅できるといいなぁ.