伝える力2
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/12/15
- メディア: 新書
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(2011-12-29読了)
「伝える力」に続く第二弾.
本書を読んで,特に印象に残ったのは以下の3点
"和文和訳" をする (pp.20-23)
わかっている人にはわかるけれど,知らない人には同じに見えてしまうようなことはいろんな分野で起こり得る.池上氏は専門用語をわかりやすい日本語に置き換えて説明する "和文和訳" を心掛けているという.
印象に残ったのは以下の文章.
原発の事故のニュースでは、「水素爆発」という言葉もしばしば出てきました。そうしたときは「水素爆発というのは水爆とは違いますよね」と専門家に聞き返したりもしました。私はそれらの意味の違いを知っていますが、あえて聞くわけです。
(p.20)
自分も専門用語を正確に理解せずに使っているケースが多々あると思うので,常にこれを自問できるように心がけたい.また,輪講などの勉強の場においても,メンバーにこういう質問を混ぜることによって,理解を深める助けになればと感じた.
相手の答えが間違っていても… (pp.68-70)
『学べるニュース』などの番組で、私が気をつけていることがあります。その一つは、相手が話したことを真っ向から否定しないことです。間違えたことを言っても、その回答の中で、できるだけよいところを拾い出すように心がけています。
(p.68)
これは心がけたいと思っている.回答者が委縮しないようにする配慮もあるが,回答者の誤りの中には,回答者が誤った面白い理由が隠れているかもしれない.専門的な議論の場合には,それが面白い発見につながる可能性もあると思う.
伝えたいことを「因数分解」する (pp.106-112)
ここでいう因数分解とは共通項をうまくまとめて,わかりやすい表現に直すこと.
特に今書いているような読書記録を書くときに意識するようにしているが,造詣の深い人は,過去に読んだ本や自分の経験などをうまく絡めて「その人にしかできない因数分解」で解説したりしている.本書では,そこまで踏み込んで書いていないが,因数分解を意識したい.
メモ
- 他人事は本来「人事」と書いた
- 「煮詰まる」の正しい意味
- 攪乱は本来「こうらん」と読む
- 今は「かくらん」が常用の読み