素数ゼミの謎

素数ゼミの謎

素数ゼミの謎

(2009-10-11読了)

8月に行われた出身研究室の留学生 (フランス人) を送る会に参加した際に出た話題.
どういう文脈か忘れたけれど,フランスにはセミいるの?という話になり,先生が

アメリカには周期ゼミと呼ばれるセミがいて.ある地域には十何年という周期に一度だけ都市機能が失われるくらいのセミが大量発生し,大問題になる.周期ゼミには2つの種類がいて,ふたつの周期がかち合うと大変なことになる.

といった話をしてくださった.

僕は周期ゼミについて全く知らなかったので,これは面白い!と思い,家に帰ってから少し調べてみたところ,本書のことを知り,ほろ酔い気分でAmazonぽちっていた.次の日には届いたのだけれど,しばらく放置していた.

周期ゼミで検索すると詳しい解説が出てくる.Wikipediaには本書で書かれている内容の要約が紹介されている.


なぜ周期ゼミは13年,17年という素数を周期としているのか,その謎の解説については本書に譲るとして,本書は誰でも理解できるよう,とてもやさしく書かれている.中学生なら間違いなく理解できるし,多分小学生高学年でもほとんど理解できるようのではないだろうか.


本書を読んで,自分自身が小学生の頃に佐々木倫子動物のお医者さん」という漫画を読んで,ひそかに大学の研究室,研究者に対する憧れが芽生えたことを思い出した.
また,大学生の頃に読んだローレンツ「ソロモンの指環」を読んだときのようなワクワク感があった.自分自身は科学少年でもなんでもなかったけれど,こういう本をきっかけに生物学,広くは科学であったり,学問に興味を持ってもらえるのではないか.

なんだか説教くさい感想になってしまったけれど,自分の子どもたちに読ませたい一冊.もちろん大きなお友達にもおすすめしたい.

注意点

ただひとつだけは書かねばなるまい.僕個人の主観によるものだけれど,素数ゼミは日本にいるセミに比べてなんだか,少し,「グロい」.上記Wikipediaに写真があるので,確かめてほしい.

そんな素数ゼミの写真があり,中でも400匹の素数ゼミを並べた写真があったりするので,昆虫系がダメな人は,その部分を見ないようにしたほうが安全.

そのページをセロハンテープでくっつけてでも読んで欲しい.そう思った一冊.

自分メモ

  • 氷河時代の原因 (pp.60-61)
    1. 空気中の成分の変化.二酸化炭素濃度が減ると温室効果が得られなくなるため
    2. 地球の回転軸が変わることによる,太陽光が当たりやすい地域の変化.陸は海に比べて熱しやすく冷めやすい.
    3. 氷河自身もまた太陽光を反射するため,氷河が形成されると太陽光による温度を逃がしやすくなる (アルベド効果).