素数ゼミの謎
- 作者: 吉村仁
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/07/12
- メディア: 単行本
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(2009-10-11読了)
8月に行われた出身研究室の留学生 (フランス人) を送る会に参加した際に出た話題.
どういう文脈か忘れたけれど,フランスにはセミいるの?という話になり,先生が
アメリカには周期ゼミと呼ばれるセミがいて.ある地域には十何年という周期に一度だけ都市機能が失われるくらいのセミが大量発生し,大問題になる.周期ゼミには2つの種類がいて,ふたつの周期がかち合うと大変なことになる.
といった話をしてくださった.
僕は周期ゼミについて全く知らなかったので,これは面白い!と思い,家に帰ってから少し調べてみたところ,本書のことを知り,ほろ酔い気分でAmazonぽちっていた.次の日には届いたのだけれど,しばらく放置していた.
周期ゼミで検索すると詳しい解説が出てくる.Wikipediaには本書で書かれている内容の要約が紹介されている.
なぜ周期ゼミは13年,17年という素数を周期としているのか,その謎の解説については本書に譲るとして,本書は誰でも理解できるよう,とてもやさしく書かれている.中学生なら間違いなく理解できるし,多分小学生高学年でもほとんど理解できるようのではないだろうか.
本書を読んで,自分自身が小学生の頃に佐々木倫子「動物のお医者さん」という漫画を読んで,ひそかに大学の研究室,研究者に対する憧れが芽生えたことを思い出した.
また,大学生の頃に読んだローレンツ「ソロモンの指環」を読んだときのようなワクワク感があった.自分自身は科学少年でもなんでもなかったけれど,こういう本をきっかけに生物学,広くは科学であったり,学問に興味を持ってもらえるのではないか.
なんだか説教くさい感想になってしまったけれど,自分の子どもたちに読ませたい一冊.もちろん大きなお友達にもおすすめしたい.