数理統計学の基礎
- 作者: 新納浩幸
- 出版社/メーカー: 森北出版
- 発売日: 2004/05
- メディア: 単行本
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(2008-02-20読了)
学部2,3年生向けに書かれた統計解析の本.ただサブタイトルにあるとおり,統計モデルはあくまで「予測」のため,というスタンスを崩していない.確率,分布,推定,検定という統計解析のカリキュラム通りの内容が含まれているが,最終章でモデル推定とモデル選択の話を少しだけしている.
例えば検定もモデル選択という視点から考えることができる,というのは斬新だった.それまで検定イコール,平均の差の検定,棄却できねーくそ.という単なるツールだったのが,見方が変わってくる.
本書の特長は,
- 可能な限り初歩的なところから話を始めていること(確率変数についてここまでわかりやすく,丁寧に書かれている本は珍しい).
- やさしい演習問題がたくさん含まれていること.
- 定理や各種統計量について,きちんと証明をつけていること.
の三点が挙げられる.
証明まで含めて読んでいたら数式酔いを起こしたので,最後の方は飛ばしてしまったけれど,全体を通してよく書かれている.いわゆる統計解析の教科書が難しいと感じるならばこの本から始めるといいかもしれない.
二項分布の正規分布近似なんて大学2年の演習でやったのに...ぱっと出題されて解けない俺ガイル.春休みは数学漬けにして鈍った頭もとい元々悪い頭を活性化させようそうしよう.