ホームレス中学生

ホームレス中学生

ホームレス中学生

(2007-12-28読了)


本屋の店頭に並んでいたけれど,よく知らなかったのでジャケ買い.どうやら著者は最近売れているお笑い芸人らしい.


中身を見ると,本当にそのとおり,著者が中学生のある日,家が差し押さえになって家を失い,さらに父親が「解散!」と一言言い残して失踪してしまったという.

兄や姉とも別れ,公園で一ヶ月弱過ごすことになる.それまで,普通の暮らししかしてこなかった中学生がホームレス生活を描く.


以下ネタバレ含む(?)
結局,友達の家に居候をさせてもらえることになり,更に知り合い同士で学費や生活費を貸してくれたという話になっているが,これはものすごいことだと思う.
本来なら保証人になる父親が失踪した.親類といえば疎遠になっている親戚だけ.そのような状態でまだ大学生の兄,高校生の姉,中学生の主人公たちのためにお金を工面するという行動が本当に素晴らしい.


こういう話はよく美談として語れるけれど,「じゃあ自分ならやれるか?」と自分に問うてみると,どう考えても無理な気がする.


キャッチーなタイトルにするために「ホームレス」と銘打っているが,個人的には後半の心温まる話の方が訴えかけてきた.ホームレス経験をしていないからそういうことがいえるのだが.