人はカネで9割動く
- 作者: 向谷匡史
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/11/09
- メディア: 単行本
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(2007-12-23読了)
なんかAmazonとかで気になったので読んでみた.
死に金を使わず,いかに生き金を使うのか,ということについて様々なケーススタディを紹介することで解説.
要約すると「損して得とれ」「どうやって相手に印象づけるか」部分的には「ブラフとハッタリの本」.カネという軸が一番わかりやすいのでタイトルやメインテーマに挙げているが,人情や義理も出てくる.
ひとつのポイントは,「上下関係(どちらが優位か)をはっきりさせる」というもの.そのテクニックが書かれている.
あぁ,これはそうだな.と思うものもあるが,あまりに場面が限定されるので自分用メモ
- けちけちすると,それがもっと大きな損になる
- 礼状は必ず書く
- 他人と差をつける(印象を与えるために)
- 折半すると関係が対等になるから,後々ごたごた起きる
- 相手に渡すのは3割まで,そうすることでこちらが「主人」になれる
例え話の多くがヤクザとホストで,あまり身近な例ではないのが難点.ケース紹介では誰もが気前よくお金を払っているが,そもそもそんなお金出せないんですけれど,少なくとも本書で紹介されているようなリターンを求めているわけじゃないんですけど.という例がけっこうある.
もちろん,これをそのまま使え,というわけではないので,これらから何かを学べればいいのですが.
そういえば,今でも覚えていることがある.学部2年のときのOR演習の時間.講義時間内に提出するレポートの最後に感想の欄があった.
先生は講義中に自身の小学校時代の話をしてくれた.先生は瀬戸内海の島に住んでいたというのだが,ひとりだけ島の反対側に住んでいる友達がいたという.彼はバスを使って通わなければならず,そのため友人の間で話題になる朝のテレビ番組の話題についていけなかったという.これは学校の位置がミニサム問題の解に近かったからで,ミニマックス問題を解けば,その友人はもう少し楽になったよね,というたとえ話である.
それを聞いていたので,自分がこの間の休みに祖父母の家がある広島に遊びに行って,蒲刈という島に行きました.先生の話からその島のことを思い出しました.という至極くだらない,しかも講義の感想ではないことを書いた.
後日返ってきたレポートを見ると,その感想の欄に○がつけてあった.特に間違いがない限りは○がつかないものだったのにも関わらずである.
これには何故か嬉しくなった.先生がひとつひとつのレポートを読んでくれていたのだ.そして自分のメッセージに対して,なんらかの反応をしてくれた.先生が自分に対してどのような感想を抱いたのかは知る由もないが,この本を読んで,あぁ,そういうことなのかな,と思った.
だらだらと書いてしまったが,齋藤孝の「教育力」にもつながるような気がする.