組織を強くする技術の伝え方

組織を強くする技術の伝え方 (講談社現代新書)

組織を強くする技術の伝え方 (講談社現代新書)

(2007-10-29読了)


畑村洋太郎氏の新著.新書で非常に薄いので読みやすい.
団塊の世代の引退で,技術が失われると心配される2007年問題について,技術を伝えるためにはどうすればいいのか,というポイントについて解説している.


いくら伝える側が努力をしても確実に伝わるとは限らない.「受け入れの素地をつくる」ことの重要性を再認識させられた.そのためにも,畑村式の第一ステップである「まず体験させろ」は非常に重要だと感じた.初めての人間でも,体験させることによって全体像が見えやすくなる.


伝え方の方法のひとつとして,相手の知識のテンプレートにあてはまるように説明すれば,相手がすんなりと理解できる.


自分の場合は,「客観のお化け」に振り回されているような気がする.わかりやすく説明しようとするあまりに中途半端な抽象化を行い,かえってイメージが沸きにくくなるというもの.よかれと思った伝え方でも,相手にとっては「さんまは目黒に限る」といわれてしまうかもしれない.


個人的には,あとがきに書いてある「ラブレター」のたとえ話がわかりやすく,さらに本質的な部分を集約しているような気がする.