組織を強くする技術の伝え方
- 作者: 畑村洋太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/12/19
- メディア: 新書
- 購入: 8人 クリック: 61回
- この商品を含むブログ (81件) を見る
(2007-10-29読了)
畑村洋太郎氏の新著.新書で非常に薄いので読みやすい.
団塊の世代の引退で,技術が失われると心配される2007年問題について,技術を伝えるためにはどうすればいいのか,というポイントについて解説している.
いくら伝える側が努力をしても確実に伝わるとは限らない.「受け入れの素地をつくる」ことの重要性を再認識させられた.そのためにも,畑村式の第一ステップである「まず体験させろ」は非常に重要だと感じた.初めての人間でも,体験させることによって全体像が見えやすくなる.
伝え方の方法のひとつとして,相手の知識のテンプレートにあてはまるように説明すれば,相手がすんなりと理解できる.
自分の場合は,「客観のお化け」に振り回されているような気がする.わかりやすく説明しようとするあまりに中途半端な抽象化を行い,かえってイメージが沸きにくくなるというもの.よかれと思った伝え方でも,相手にとっては「さんまは目黒に限る」といわれてしまうかもしれない.
個人的には,あとがきに書いてある「ラブレター」のたとえ話がわかりやすく,さらに本質的な部分を集約しているような気がする.