すごい会議

すごい会議?短期間で会社が劇的に変わる！

(2007-09-29読了）

査読結果：条件付採録

貴殿の主張する手法について，本論文の提案手法の適用範囲が明確ではありません．
提案されている「すごい会議」による効果があらゆる組織に適用可能であるのか，それとも評価実験で説明されているような比較的小規模の組織に有効であるのか，明示する必要があります．
前者の場合，評価実験の結果からでは有効性を論じることができず，新たに追加実験を行う必要があります．
後者の場合，このままでは読者をミスリードする可能性がありますので，導入部分で提案手法の適応範囲について明確に記述する必要があります．

条件付採録の修正をした後だったので，査読コメントっぽく感想．

要するに，会議のハウツー本とかで書かれていることを実際に実行するためのハウツー本．具体的であるため，さぁ使ってみようというときに役立つかも．
ただ，査読コメント（笑）にも書いたとおり，小規模のベンチャーなどではすごく効果がありそうだけれど，ヒエラルキーが構築された大企業では厳しそう．平社員がこの本を読んで「よっしゃこんな感じにやりてぇ！」と思ったところで，上司に却下されておしまい．ということになりそうな気がする．

著者は「がんばって布教してちょ」と締めくくっているが，きっと日本式のガチガチの組織にどうやって本手法を蔓延させてやるかというアイディアが考えているのだろう．まとまったら次の本が出るに違いない．

研究室に何か適用できないかな？
残り短い時間ですが，何か恩返しをして去りたいものです．

これ，いいなと思ったのはこの箇所

うまくいかない理由を指摘するときは、代替案を提示しろというわけだ。
コーチをしていてよく見えるのは、放っておくと会議の時間の９５％は「コメントの交換」に使われている、ということだ。
(p.76)

付録が絶対内定を彷彿させる．．．