議論のレッスン
- 作者: 福澤一吉
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2002/04/10
- メディア: 新書
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(2007-09-04読了)
「え、なんでそんなことがいえるの?」「前提がおかしくない?」と感じるのは完全な職業病だと思っていたが、本書を読んで少し安心した。
本書ではトゥールミンの議論モデルで議論の構造を取り上げている。
根拠データ --(論拠)--> 主張
自分は「根拠データ」を「前提」、「論拠」を「論理」、「主張」を「結論」と呼んでいたが、結局はほぼ同じようなモデルで話の論理構造を捉えていたみたい。
ちなみに主張を新たに根拠データにすることも可能。このモデルでは登場人物が3つ(詳細にはもう少し増える)なので、実際に試すことが容易である。親切なことに、演習問題と詳しい解説がついている。
一般的に客観的事実と思われているものも、使われる論拠によって解釈が異なることを忘れてはいけない。隠された(前提となっている)論拠は何か、相手と共有されている論拠に相違はないのか。ということを改めて教えてくれる。書かれていることはシンプルだが、実際の場面で実行するとなると、かなり意識しなければいけない。
細かいけれど、板坂元の「やはり」の解釈のくだりはなかなか面白かった。
(引用)←日本人は自分で論拠をあやふやにしたまま、主張をする癖がある?
高校生や大学1年生の皆に薦めたい一冊。自分は学生最後の年に読んだわけですが…。
これと併せてサイトウ孝先生の「三色ボールペン…」を読めば、ちょっとスタイルは変わるかもしれないけれど、多色で線を引けるようになるかもしれない。
巻末に参考になる参考文献リストあり。