フラット革命

フラット革命

フラット革命

(2007-09-03読了)

タイトルから察するに,「フラット化する社会」や「ウィキノミクス」と同系列の本かとおもったら全然違った.本書では,ジャーナリズムの観点からネットの公共性の可能性について論じている.

「公共性を保証する機関がなくなった社会は,これからどうなっていくのか」という大きな問題の提唱をしている.

従来は新聞が公共であり,正義であり,「われわれ」であった.インターネットの普及によってフラットになった言論の世界では,従来のままではうまくいかない.

グーグル八分と同じ時期に読んだのがよかった.ネット上の問題は「匿名性がいけない」「匿名で発信するやつは責任をもってない」といった従来の考えでばっさり切ることができなくなっている.それほど「社会がウェブ化」しているのだ.

がんだるふの話,未だ終結しない「ことのは事件」,加藤の乱など,実際にネット上と現実世界を巻き込んで起こった事件が詳しく紹介されており,これらの問題について考えさせられる.