ウェブ仮想社会「セカンドライフ」

(2007-08-06読了)

15分で読了.学部生のレポートだと思うとちょうどよい.
サーベイが不十分,統計の数字が客観的意味を持たない,論理が飛躍している.なによりも「結局何が言いたいのかわからない」


セカンドライフが,現在の何に置き換わるのかが示されていない.「重要なプラットフォームになる」と言い切るわけでもない.


ただ,2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)で指摘されているように,インターフェースの問題点は認めていた.いちサーバにたかだか50人程度しかアクセスできない現状では,少なくとも現実世界をそのまま写像することは不可能のような気がする.(ライブだって,記者会見だって,完全には実現不可能)


セカンドライフには「生活必需」がない(p.63)とあるが,その通りで,アバターをずっと放置していても構わない.
このような状況でどのようにビジネスが成り立つのか?


リンデンドルにおける経済市場が形成されているのであれば,貨幣供給の話から始めて,今後どうなっていくのかというストーリーが聞きたかった.たいていのMMORPGは,RMTのために貨幣供給過剰になり,成熟サーバでは必ずといっていいほどインフレが起きる.セカンドライフの場合,モンスターを倒せば手に入るわけではないが,宣伝となるとわかったら企業がどんどん貨幣を供給してくると思われる.
そうなったらどうなるんだろう?


著者は奇しくも同い年.
あぁ,ついに同い年が本を書くようになったのか,と思うと少し悲しい.