「複雑ネットワーク」とは何か
「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解く新しいアプローチ (ブルーバックス)
- 作者: 増田直紀,今野紀雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/02/21
- メディア: 新書
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(2007-06-14読了)
ネットワーク分析の入門書
最初はグラフ理論の歴史から始まって,基本的なネットワーク構造についての解説をしている.
前半では,平均距離やクラスタ係数などの観点からそれぞれの比較を行っている.
- 一次格子型ネットワーク
- ランダムグラフ
- スモールワールドネットワーク
- スケールフリーネットワーク
- BAモデル
後半では実世界における現象をネットワークの観点から分析を行っている.
脳のニューラルネットワーク内におけるスモールワールド構造など興味深い
最後には,ある一定の重みを持った頂点同士に枝を張る閾値グラフ,
似たもの同士をつなげるホモフィリー(homophily),逆に異なる性質をもった者同士を
つなげるヘテロフィリー(heterophily)という性質について簡単に紹介している.
特に,閾値グラフにホモフィリーの性質を加えるとビップ・クラブ現象と呼ばれる
いわゆるセレブなコミュニティは一般大衆のコミュニティから孤立している,という
イメージ.
個人的にはネットワーク分析―何が行為を決定するか (ワードマップ)よりも先に読んだ方が順番としてよいのかなと感じた.
内容としてはあまり重複がないので,どちらでもいいのだけれど.