ネットワーク分析―何が行為を決定するか

ネットワーク分析―何が行為を決定するか (ワードマップ)

ネットワーク分析―何が行為を決定するか (ワードマップ)

(2007-04-23読了)
ネットワークの構造を仮定し,構造から意味を見出すネットワーク分析,
ネットワークがどのように構成されたのか,構築仮定を考察するネットワーキングに関する入門書.
昨日読んだ「みんなの意見」は案外正しいにもある通り,個人の行動というものは,個人が属しているネットワークの影響というものがあるんだよ,ということ.



きちんと論文を引用しているため,大きくずれたことを主張しているわけではないが,論文が少し古く,新しい理論や研究は紹介されていない.
古典的な理論や基礎的な部分を学ぶための本だと思う.


構造同値(structurally equivalence)や役割同値(role equivalence)という言葉を本書で初めて知った.
構造同値とは,ひとりの上司に対して複数いる部下のように,それぞれを置換してもネットワーク構造に影響のないノード同士のことを表す.
また,互いに構造同値の行為者のあいだには競争原理が働くといわれている.
このような直接連結していないノード同士が影響する,という考え方はとても面白かった.

数学は苦手な方だが,個人的にはもう少し数学的に説明した方がしっくりくる部分があった.各章が細かく分けられているが,大きな流れがうまく出来ていないため,通読すると少し苦しい部分があった.


後半部分がわかりづらかったので,後でもう一度読もう.


キーワード:構造同値, 役割同値, ソシオグラム, ネットワーク優位性