君たちに伝えたい3つのこと―仕事と人生について 科学者からのメッセージ
君たちに伝えたい3つのこと―仕事と人生について 科学者からのメッセージ
- 作者: 中山敬一
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/07/30
- メディア: 単行本
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(2012-01-28読了)
教授からのメッセージの書籍版.このウェブページを読んで感銘を受け,書籍化されたことを知ってすぐに購入.
学生のうち (特に1-2年生) の頃に読んでいたら,自分は違う道に進んでいたかもしれないと思う文章.
教授からのメッセージとの差分は少ないので,ウェブの記事を読むだけでもよいかもしれない.また,本書は研究者以外にも伝わるような書き方になっているため,研究者 (を目指す人) はむしろウェブ版の方がストレートに書かれている分,すっきり読めると思う.
既に教授からのメッセージを読んでいたので,初見ほどのインパクトはないものの,改めて著者から発せられる強烈なメッセージで目が覚める思いをした.特に
甘やかされて、闘争心を失ってしまうからです。
(p.114)
にはドキっとした.今の自分には闘争心はあるだろうか? 甘えてはいないのか?
さて本書の内容とは関係なしに感じたこと.化学系の人はラボノートをきちんと作成し,実験の再現性を担保するよう教育を受けるそうだが,計算機科学では,他の分野に比べて実験の再現性があまり強く求められていないような気がする.最近ようやく気が付いたことだが,今まで自分は同じプログラムを動かせば同じ結果が出ると思い込んでいるから手法のソースコードバージョンだけ管理しておけばよいと思い込んでいた.しかし実際には完全に再現するためには
- 使ったデータ (e.g., データの一部の場合は選択方法は?)
- 前処理の手順 (e.g., ソースコード,UNIXコマンド全てを含む)
- 手法のソースコード (e.g., コードバージョンは? 乱数発生ルーチンは?)
- 実験コード (e.g,, パラメータは? 試行回数は?)
- 実験環境 (e.g., CPU, メモリ, OS, kernel, コンパイラ..)
といった様々な実験条件を全て記録しておく必要がある.
せっかく計算機上で実験をするので,上記ラボノートに記録すべき項目を楽に記録する方法はないかと思索中.