最後の授業 ぼくの命があるうちに

最後の授業 DVD付き版 ぼくの命があるうちに

最後の授業 DVD付き版 ぼくの命があるうちに

(2010-03-10読了)

2年くらい前にベストセラーになったけれどずっと積ん読だったので読んだ.ところどころ号泣.
死を目前にした先生の本といえば,モリー先生との火曜日 (Tuesdays with Morrie) が思い浮かぶけれど,大きく異なる点がある.それは,パウシュ先生は子供たちの「父親」として最後の授業を行い,本書を遺したのだということ.

パウシュ先生のメッセージも去ることながら,パウシュ先生の父親に感動した.こういう父親になりたいなぁと思う.倹約家でない時点でもう無理なのだけれど.けれど,細かいことにこだわり,些細なことで辞書を開くという点では,まだ望み? はある気がする.

僕は世の中には二種類の家族がいると思っていた.

1. 辞書がないと夕食が終わらない家族
2. 夕食に辞書が必要ない家族

わが家は一番目だった.ほとんど毎晩,話していると最後は辞書を引くことになった.辞書は食卓から六歩の本棚にあった.「わからないことがあれば自分で答えを見つける」が,わが家のモットーだった.面倒くさがって,座ったままあれこれ考えることはありえなかった.僕たちはもっといい方法を知っていた.百科事典を開け.辞書を開け.心を開け.
(pp.40--41)

自分がパウシュ先生の立場になったと考えたとき,余命いくばくかという状況において,かくも冷静でいられるものなのだろうか.この点については「がんと闘った科学者の記録」も参考になるだろう.まだ積ん読なのでこちらも読みたい.

元々,これから大きくなる子供たちに向けて書かれたメッセージなので,大きいお友だちである我々はさらっと読める内容になっている.父親になったら (予定は未定) また読みたい.きっと大きく違って読めるだろう.

DVDはまだ見ていないので,後で観る予定.

メモ

  • オランダのおじさん (Dutch uncle) ずけずけ物を言う人
    • cf. I'm a Dutchman とても信じられない e.g., If that ball was out, then I'm a Dutchman.