考えないヒント
- 作者: 小山薫堂
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 新書
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(2007-12-30読了)
著者は「面白いことないかな」常に考えているという.
「お金にならないかな?ビジネスにならないかな」とはあまり考えない.そう考えると,一気に思考が束縛されてしまうという.
「締切は守らなくてもいい」という章では,何のために締切があるのかを考えた上で,最大のアウトプットを出すための行動をとる,という方法.ただ,これは一概にそうとは言えない状況もあるので,気をつけないと.
著者の友人のカメラマンが米農家の人を取材したときに「今年の米のできはどうですか?」という質問にこう答えたという
「あなたたちは今まで何万枚って写真を撮っているだろうから、今撮れた写真がいいか悪いかわかっているかもしれないけど、僕はまだ米を五十回しかつくったことないんです」
(p.99)
この言葉はすごい.
また,慶大の村田昭治先生の話を聞いて,こんなことを思ったという
「マーケティングって結局、人を説得するときの材料みたいなもので、マーケティングからアイデアが生まれるというよりも、アイデアを通すためにマーケティングがあるのかな」と思うようになりました。
(p.126)
これには確かに同意できる.コンサルティングを否定するわけではないが,コンサルタントをやっている友人に話を聞くと,経営意思決定を行うための「説得材料」が欲しいだけの依頼があるという.多分,同じようなことなんだろう.
かなりセンスと勘で書かれている本.なのでこのタイトルがしっくり来る.考えないでいかにアウトプットを出すか.肩の力を抜いて息をするように考えるのだ.