騙される脳

騙される脳 (扶桑社新書)

騙される脳 (扶桑社新書)

(2007-09-30読了)

日本第一号店がものすごい行列だというのに,なかなか2号店を作らない理由はなぜか.「私1時間も待ってあの店で食べたわよ」という,他人に自慢することでクチコミ的に広がっていく「自慢マーケティング」というトピックが面白かった.

著者の主張が正しければ,要するに電○とか博○堂とかが,キャッチコピーを作って宣伝すれば,ブランド価値が上昇し,自慢マーケティングが可能になるということ.
言われてみればその通りのような気がするし,電○や博○堂には,それを平然とやってのけるだけのノウハウや力が備わっている,と思う.


ブームを作るのは女性が多いとされているが,これは扁桃体と呼ばれる感情を左右する部分が活発だからではないかと述べている.


ちょっと乱暴なまとめ方をしてしまえば,顧客満足度=顧客のドーパミン放出量というミクロモデルについて論じているといえる.なので,いかにブームが発展していくか,ブームとただの一時的な「祭り」で終わってしまうイベントの違いについては本書では答えは得られない.
ニセコブームはオーストラリア人がつくった,というのは面白かった.


本を読了し終わったときにドーパミンが大量に分泌されるというくだりがあったが,これは本は通読し,何を読んだのかという読書記録をつけよ.それが次に本を読むためのモチベーションになる,という梅棹忠夫「知的生産の技術」に書かれていたことと一致する.(梅棹氏の言葉は記憶を元に書いたので,かなり内容が違うかも)