死神の精度

死神の精度

死神の精度

(2007-06-20読了)

久しぶりの伊坂幸太郎


主人公は死神の調査員.
死神によって選ばれた人物の死を「可」とするか「見送り」にするかを見極めるため
姿を変えて対象人物の身辺調査を行う.
身辺調査開始から対象の「死」までの一週間という物語を描写している.


味覚,痛覚,人間が持っているあらゆる感覚のほとんどを
感じないくせに,「ミュージック」には目がない,どこか人間らしい主人公の死神.


重力ピエロの登場人物が登場.
相変わらず登場人物を描くのが巧い.
のっぴきならない状況にも関わらずあっという間に通読してしまった.

「こういう台詞があったんですよ。『誤りと嘘に大した違いはない。五時に来ると言って来ないのはトリックだ。微妙な嘘というのは、ほとんど誤りに近い』って」
(p.142 荻原の台詞)