人工知能のパラドックス

人工知能のパラドックス―コンピュータ世界の夢と現実 (ケイ・プラス・ケイ・プレス)

人工知能のパラドックス―コンピュータ世界の夢と現実 (ケイ・プラス・ケイ・プレス)

(2007-06-04読了)
人工知能の歴史をさらっと知ることができる書.
特に人物を中心に描かれているため,流れやポジションが非常にわかりやすい.
難解な部分もあるが,人工知能がどのように捉えられてきて,そしてこれからどのように実現されていくのか.
という点について,著名な研究者たちの考え方を知ることできる.


以下,レビュー用のコメント

ダートマス会議で人工知能(Artificial Intelligence)という言葉が提唱されてから50年が経過した.
本書では人工知能に関わる研究がどのように始まり,人々がどのような観点からアプローチを行っているかを俯瞰するための書である.


人工知能という概念がどのように萌芽してゆき,そして本質的にどのような問題を抱えているのか,
ヒルベルトチューリングジョン・マッカーシーレイ・カーツワイル,ジャロン・ラニアー,ビル・ジョイ
という5人の登場人物の観点から人工知能を眺めることで,人工知能が持っている本質的な問題と,
将来の可能性を垣間見る


本書でも紹介されている
 ミンスキー「心の社会」
 ペンローズ「皇帝の新しい心」
 ドレイファス「コンピュータには何ができないか」
 ドーキンス利己的な遺伝子
 ホフスタッター「ゲーデルエッシャー、バッハ」


といった人工知能研究者ならばぜひ読んでおきたい古典を読むのは気が引けるけれど,
その前に人工知能史を概観するのには良いガイドブックになるだろう.