大学教授という仕事

大学教授という仕事

大学教授という仕事

(2010-02-23読了)

杉原厚吉先生の本.教授の仕事について書かれた本.

告白すると僕は卒業するまで「科研費」というものをよくわかっていなかった.社会人になってからも研究に携わっているものの,こと研究に関しては,僕ほど世間知らずだった学生はいないのではないだろうか.

学生の頃,学会発表のための旅費を「カケンヒ」から出してもらったのだけれど,カケンヒを取得するために教授が苦労をしているとは夢にも思わなかった.学生の僕にとっては,キョージュは,教壇に立って偉そうに学生に講釈たれるものだと思っていたし,研究のためのお金は割と簡単に降ってくるもんだと思っていた.

というわけで今の僕に取ってはわりと知っている世界ではあるけれど,何も知らない学生がこの本を読むと,ミーティング以外の時間,教授がどのような仕事をしているのか,どのような気持ちで直前に渡された投稿予定原稿をチェックするのか,ということが少しはわかるのではないだろうか.

研究室に配属された学生は,研究の進め方,論文の書き方を学ぶと同時にこういった類の本をぜひ読んで欲しいなぁ,と過去の自分に向かってつぶやいてみる.